FC2ブログ

ほほほの脱力メモ

バイオリンと気功をお気楽に精進してα波に満ちた日々を過ごすためのメモブログです。キーワードは「脱力」です。話はいろいろ飛びそうです。

ラヴェルの魔法

フランスの作曲家、モーリス・ラヴェルは「管弦楽の魔術師」と呼ばれることがあったかと思います。しかし、今日感じたのは、むしろ「魔法」のイメージです。

明日(9月24日)、ラヴェルとドビュッシーの名曲によるプログラムの演奏会に出演することになっており、今日はその練習でした。「ワルツ」を意味するラヴェルの「ラ・ヴァルス」。曲を聴いていると、実際に社交場でワルツを踊っている人々の姿が目に浮かんで来るのは、ウィンナー・ワルツを意識したという作曲家の意図が見事に結実したことを示しています。まあ、実際には緩急自在すぎて、社交場に来るような人々が踊るのは大変だと思いますけど、踊りだしたくはなります。

ただし、ここまでは、「魔法」とは言えません。舞曲を聴いて踊りだしたくなるのは、優秀な作曲家の手にかかれば、あって普通のことだと思うからです。

ラヴェルの魔法は、やはりその豊かな色彩感ですよね。オーケストラは様々な楽器で構成されているので、ある意味、色彩感が豊かなのは当たり前なのですけど、ラヴェルのそれは、種類が少し違うような気がするのです。

きちんと研究したわけではないので、たいしたことは言えませんが、ベートーベンにしろ、ブラームスにしろ、王道を歩む作曲家の場合は、やはり各楽器の調和を重んじ、その中で変化をつけている。ところがラヴェルの場合は、方向性が逆なのではないかと思うのです。まず変化ありき。後で何とか辻褄を合わせよう、みたいな。

だから、オーケストラで合奏するときは元より、一人でパート譜を練習しているときでさえ、楽器が勝手に変化を求め始めるのです。合奏していると、随所で変化によるキラキラが自然発生する。これは、まさしく「魔法」だな、と。

明日の演奏会では、同じラヴェルの「ボレロ」も演奏しますが、こちらの「魔法度」も高い。この曲、演奏する楽器の種類が変わっていくだけで、何度も何度も同じ旋律が繰り返されるのに、聴いていてもまったく飽きないのは凄いなあ、と以前から思っていました。が、私の担当の第一バイオリンのパート譜を見ると、前半は休符と同じようなピチカートによる伴奏の組み合わせ、後半は同じような旋律を何度か弾いて、最後にようやく盛り上がって終わるという、通常の曲に比べると著しく単調な譜面なのですね。

なのに、飽きない! これも「魔法」だ。曲が常に変化しているからなのだと思いますが、譜づらがここまで単調なのに、実際に出てくる音楽が変化に満ちているというのは、凄すぎです。

パート譜を弾いているだけで、ラヴェルのような尋常ならざるベクトルを向く経験をした作曲家、他にもいました。武満徹ですじゃ。パート譜とは言ってもバイオリン2本のデュオでしたけれども、一人で弾いていても、あゝ武満! と感じ入ることができるのですね。武満徹も、色彩豊かな曲を作りますよね。
スポンサーサイト






FC2 Blog Ranking【←いい記事だと思ったらクリックしてみて下さいネ】

コメント

TBさせていただきました

ラヴェルの「ボレロ」を演奏されたのですね。アマチュア・オケでは大したものです。ヴァイオリンを弾いておられるご様子ですが、ヴァイオリンにはあるまじき長ーい休みでひたすらピツィカート・・・。
私は作曲が専門ですが、ああいうスコアはとても書けません。もう完敗です。
で、どうなっているのかと、分析をしました。お暇なときにでもぜひお立ち寄り下さいませ。

ホルンとチェレスタとピッコロ

Schweizer_Musikさん

TBありがとうございます。
個人的に一番注目しているオーケストレーションは、Schweizer_Musikさんが第三部初めの分析で書かれていた、ホルンとチェレスタがユニゾンで、その上を5度でピッコロにはもらせている部分です。ホルンとチェレスタのユニゾンであんな音が出るなんて、どうやったら思いつけるか、確かに凄いです。ピッコロのはもりは、倍音ということなんでしょうけど、楽器の選択が絶妙だと思います。
バイオリンは、実際に演奏側に回ると、聴いているときのイメージよりも弓で弾くところが多いなあと思いました。

  • 2005/10/10(月) 14:13:59 |
  • URL |
  • つあお #VoQM9Ejk
  • [ 編集]

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://tsuao.blog10.fc2.com/tb.php/121-97559b93

ラヴェルのボレロ考

ラヴェルのボレロは、オーケストレーションの魔法がいっぱい詰まった音楽だ。千変万化するオーケストレーションが施されたのは次の二つのメロディーである。よく「たった一つのメロディーを何度も繰り返して」という説明がされるが、それは正確ではない。次にその二つのメロ

  • 2005/10/10(月) 07:58:44 |
  • 鎌倉スイス日記